いろいろ雑記

思いついたことを適当に書きなぐる感じ

グレイテストショーマン観てきた感想

観てきました!
なんか評判だし、泣けるっていうし、ミュージカルファンなら絶対!って評価を見たし、ヒュー・ジャックマンのお歌が素晴らしいのは知ってるし。

 

観た直後の感想としては「クズ男の一生やった…」でした(笑)
いや、クズなだけではない、立派な人だとは思いますよ?
でも、最初の感想はそんな感じ。


正直私はハマりませんでした。面白かったですけれどね!
始まって1時間もしないうちに成功しちゃって「ここからどう崩れるの?どうなるの???」とハラハラしまくってたので疲れてしまったのもあるのですが(笑)、なんだろう普段なら大好きな「唐突に始まる歌と踊り!ザッツエンターテイメント!」な部分がちょっと受け止めきれなかったのかな(笑)

 

観る直前に見た感想で「ヒュー・ジャックマンザック・エフロンを口説くシーンがヤバイ」みたいなのがあったので期待してたのですが、そこは期待通りでした(笑)
ただ、私は口説く歌の途中までザック・エフロンザック・エフロンであることに気が付かなかったという…年月の経過に脳が付いて行かなかったんだよー。
私の中のザック・エフロンは「ヘアスプレー」なんですよね。「ヘアスプレー」は大好きで、5~6回は映画館に通いました。本当に好き。

 

好きなシーン&曲は、そのザック・エフロンが口説かれるところ。
好きな曲はザック・エフロンゼンデイヤのデュエット曲ですね。二人のかすれ気味の声がたまらなくセクシーなのです。
リンドの曲はすごかったけど、そんなに好きでもなかった。それよりもリンドの歌が歌唱吹き替えであったことの方が驚き。
確かにリンドは「歌」として独立してるから、台詞の途中から歌が始まるみたいな形式だと感じる違和感がないのは当然かもしれないけれど。

まぁ、全体的にバーナム氏はペテン師で詐欺師でハッタリ屋なので眉を顰めたいシーンもたくさん。
あの人によくあのいい人な妻とかわいい娘たちができたもんだよ。娘たちは天使。


本当にがっかりしたのは、リンドに触れて「本物」として惚れ込んでしまったところ。
バーナムの公演は、世間の評論家的に「まがい物」なのかもしれないけれど、中の人たちは確かに「本物」で、楽しんでる人たちの楽しみも「本物」じゃないか。それを理解していると思ってたのに、バーナムの「本物」の物差しが、ごく普通で画一的なものであったことが心底がっかりで。結局はブルジョアに憧れる庶民でしかなかったんだなぁって思っちゃって、そこで一気に冷めちゃったんですよね。
リンドへの「本物を見せたい」という口説き文句は方便だったと思いますが、それが本人の声を聴いて本心になってしまうという。わかりやすい演出だったけれど、うーん。
リンドの生まれつき恵まれたものにはわからないって考え方はすごくよくわかるんだけど(そこには、蔑まれることへの敏感さと恨みの深さという意味と、典型的成功を手に入れる事への渇望という意味があるのかなと)もう少しなんかヒネクレた考え方であってほしかったんですよバーナム氏には。

 

そこらへんザックの役の方が劇団を大切にしている。
最初はバーナムと関わるのを嫌がってたけど、差別意識じゃなくて、上流でいる事を選択していただけだし、デキた男だよ。
まぁ、アンの手を放したのはあり得ないけど。根性なし!なのに許される。とてもじゃないけどもっと悶着する場面だと思うのだよ。あれはアンに「仕方ない」ってあきらめの気持ちがあるんだろうけれど、その根底にある自虐的な考えと心の傷を癒すというステップが足りなかった気がする。愛だの恋だのだけで。

 

評論家氏だって、劇団の価値をきちんと見極めていたのになぁ。

バーナム氏の人タラシ感溢れるシーンだったわあそこ…

 

そして、リンドに迫られてから途端に冷静になっちゃうバーナム氏(笑)
そこで踏みとどまるんだ!?と逆の衝撃(笑)
そりゃリンドさん怒っちゃうよー。でも、プライドのある職業歌手なのであれば、あんな復讐はせずにきちんと勤めあげて欲しかった。そこはリンドさんにがっかり中のがっかり。
リンドの公演は、大半のブルジョアにとってはただの格付けの道具なのかもしれないけれど(心底歌を聴いているわけではなく、行ったことがステイタス、という世界もあると思うので)、それでも心底聞きたいと思ってる人もいるはず。
立ち見があるってことは上流階級以外も入れる公演なんじゃないかなぁ。そういう人のためにも、予定されていた公演はきちんとして欲しかった。
と思ったけど、史実的にはバーナムと離別の後も個人でツアーしてるのね。映画の印象では公演キャンセルって感じに見えたけど。

で、バーナム氏は最初は「金のため」にリンドに近づき、結局は「リンドの才能」に純粋に惚れたって解釈なんですけれど、でもやっぱり「金のため」っていう面もありそうで悩ましい(笑)

 

舞台背景が最初わかってなくて、女王に謁見っていうからここイギリスなの?と途中で戸惑い、アンは綺麗な女子だしあんなに素晴らしい技術持ちなのになんで「みんなに好かれるかな」って不安になっちゃうのあの兄妹は???って思ったんですけれど、途中でアメリカなのか!と納得。いや、イギリスであってもあんな時代は差別すごかっただろうけれど。アンちゃんかわいいし何が問題なのかしばらくわからなかったのでした…。
リンカーンの時代あたりなので、モロに奴隷解放でもめてる時期ですね。
あと、兄妹のビジュアルが違いすぎるので、義兄弟みたいな関係なのかなと思ったのですがどうなんでしょう?

 

ウィキに、評論家の評価が分かれてるって書いてあって、それはものすごい納得(笑)
ヒューのPV映画って感想を読んでも納得するし、徹底したエンタメとしては面白いけど、ストーリーを求めるならうーんだし、評論家気取りで言うなら深みがどうのとかそういう感じ?
でも、迫力とかはすごいから、IMAXとかで大音響大画面でドーンって観たら最高に盛り上がるのでは。

ということでハマらなかったけれど楽しい映画でした!


ちなみに泣きましたが、それは冒頭10分くらいのことでした(笑)

 

追記

チャリティのパッパは、娘を無理やり結婚させることもなく縛り付けることなく家から出し、出戻ってきたチャリティと娘たちを受け入れ、そして迎えに来たバーナムに扉を開けてあげるという、ものすごいデキたパパだと思います。
敷地に入れないって選択肢だってあったと思うの。