いろいろ雑記

思いついたことを適当に書きなぐる感じ

『羅生ノ鬼』のキャラクターについて語りたい日

まだ上演中ですが、風ノ環~かぜのわ~ 第3回公演『羅生ノ鬼 ~地に咲くは、かくも美しき桃の花~』という舞台を見てきまして。
もう、本当に好きだったので、自分でもドン引きするんですけれど名前あり全キャラクターについて語ってしまうの会。
しかも、まだ一回しか見てない。脚本もまだ読んでないので事実誤認とかはたくさんありますが、私の心の中で消化した物語なのでいいんです。
あと、私は役と役者の区別つかない星人なので、いろいろごっちゃになってる部分があります。
キャラクターを語ってる所と役者さんを語っている部分がナチュラルに混在しているはず。舞台と現実の区別付かない野郎なのであしからず。
ネタバレ有です。2回目3回目を見たときにはまた感想が変わると思うので、今のうちに書いておきたい。


桃じぃ
あの単純快活だったイサセリが思慮深い老人になるまでの何十年を思うと切なくて切なくて、長文を書くと泣いてしまうので書くのつらい…
すべてを失って、何を思う年月だったのか。
タケルに再開した時にその結末を決意したとはいえ、それからも懐かしい愛しい人たちとたくさん再会して触れ合って、その挙げ句が「自らの手で」彼らを送る運命というのをどう思ったのか。
それが彼らへの救いであるとはいえ、ある意味で誉なこととはいえ、なぜ老い先短い今それを課せられるのかと思わなかったわけはないでしょう。
それとも、せめて自分の手でと思ったのか。
きっと色々な思いがあの瞬間にあったんだと感じたのでした。
奪われるのでも、零れ落ちるのでもなく、自分の手で能動的に行わなくてはいけないのは、同じ失うでも全然違うよね。


鬼ばぁ
すごく優しくて強くてあたたかい。
老いた自分が温羅にわかってもらえなくても、それを嘆くよりも遥かに前向きで、そこがすごくかっこいい!
自分だって辛い、というか倒れてる間にすべてが終わってしまってわけがわからないだろうに、桃の里の人々を率いて生きてきたという生きざまが納得の強さをもちつつ、かわいいおばあちゃんが共存するすごい人。


イサセリ
あほなの?バカなの?って言いたくなるくらいの脳筋印象からのスタートでした笑
でも、実際は自分の能力を正しく認識して、人を頼る事に躊躇いのない器のでっかい人。
そして、「がまんならん!」と叫ぶ所がもう胸がぐわって熱くなりました。鬼の彼らに酷い運命を強いているのは自分の父母の問題だからね…
あと、わからない事はわからないと言えるのも凄い。
最初の羅生門ですべてを失った彼がどんな顔をしていたのか、見たくないけれどすごく見たくもあるなぁ。
どんな逆境も笑って前を見ているような人が、どんな顔で絶望するのか…(悪趣味…)
基本あきらめない人だけれど、やはりあきらめたりもしたんだろうか。
神なのに老いるという自分の特殊性を考えたことは絶対あると思うので、そこを経てのあの性格なのかなと思うとそれも切なくなってくる。
イサセリはリア恋枠ですわ…すき…


温羅

もう、めっちゃかっこいい。
既婚者かよ!ってがっかりするレベル笑
個人的には惑う人迷う人というのはとても好きで、それが人間味(鬼味…)になると思ってるんですよね。温羅はものすごく迷い、揺れていて、それでも里の長として生きていかなくてはいけなくて、その苦悩がすごい色っぽいし、助けてあげたくなる。
正直、1回見た今の段階で一番行動に矛盾を感じるのが温羅なのですが、そのくらい彼が迷って行動しているのではないかと今は解釈しています。
次見たらいろいろ違うかもしれないけれど。
阿曽の件で亡骸に会うこともなく暴走したのはいかがなものかと思うのだが!が!!!彼の絶望を想うと仕方ない事なのかな。

門を封じるための行動とかも、今思い返すとわからなくなってる部分あるので、次に見る時まで保留!
剣技はとにかくかっこいい!


ワカタケ
理知的な弟君。
冷静に考えて自らを犠牲にすることも厭わないし、その時に対抗手段を講じる知性と実行力の人。
それでいて、神ならざる存在と疑われているイサセリを兄と慕い立てている、なんていい子なんだろう!!!!
もしかしたら、仮の姿で力をもって兄を守るというのは、ワカタケにとって「自らの姿ではできないこと」で、すごくうれしかったのかもなぁ。
もしもお兄ちゃん大好きになったのが後天的なものであるならば、きっかけが知りたい感じです。


トメタマ
イサセリの言葉で自由に生きる事に目覚めただけあって、主従関係とはいえ盲目的な部下って感じじゃないんですよね。そこがすごく素敵。
自由に生きる事に目覚めたから、自由にイサセリのそばにいる。そしてそれをかなえる能力を持っている素敵な人だ。
トメタマモリヒコタケルは立場的にはきっと同格なんでしょうけれど、それでもやっぱりトメタマが一番お兄さん格って感じで、あそこを良く繋いでいるんだろうなと感じました。
あそこ年齢差ありそうだけど、それでも兄さん格だけれど同格としてちゃんと3人が立っているっていう関係性がかっこいいです。
タケルを「仔犬」って呼ぶのホント好き。モリヒコの事も「小猿」って呼んでほしい笑


モリヒコ
格闘系のアクションかっこいい!
あと、舞台中もなんとなく感じていたのですがパンフを読んでワカタケとの関係性に納得。
なんとなくモリヒコはワカタケの事を気にかけてるなって思ってたんですよね。
隠密的な所がもっと見たかったけれど、かっこいいアクションと、「これ絶対アドリブやん」っていうせりふ回しが超大好きでした。
カテコでも「モリヒコの台詞がどこまで台本通りか確認してください」って台本の売り込みの時に言われたし。
モリヒコに関してはモリヒコを語っているのか中の人を語っているのか、ことさら区分けが付きません笑


タケル
かわいい仔犬!ボーイッシュ女の子。
一番イサセリへの忠誠が盲目に見えるけれど、それでももしもイサセリが間違ったら止められる子だと思います。そういうタイプの忠犬。
タケルのイサセリへの思いはやっぱり主従関係があるので、憧れがとても大きいっていう感じだと思いたいなぁ。恋だとしても成立してほしくないんですよね。どちらかといえば、恋は翠峰と育んでほしかった。
微笑んだ時のやり取りがとても良くて…。
体長3人だって仲良しだと思うけれど、やっぱりそういう顔をさせられるのは翠峰みたいな関係性で、恋はそういう人とがいいなと。
もしあのままあそこの生活が長く続くのであればくっついてほしかったし、たとえ翠峰と恋人になってもそれでもタケルの命を捧げる人はイサセリだし、そんなタケルを翠峰は受け入れて(というか、翠峰だって守るものは他にあるので、お互いに)っていう切なさもいいよなって。


阿曽
鬼ばぁになるんだなこの人。って完全に思える。若いのに包容力の塊です。
温羅の苦悩にずっとよりそってきてくれた人なんだろうなぁ。嫉妬しちゃう笑

かわいらしくて、タケルから笑顔を引き出したのは本当にGJです。
まだ若い頃は包容力はすごかったけれど、里の人を率いて云々って感じまではいかなかったけれど、あそこからどれほど苦労したのか。
目が醒めたら里は崩壊状態だったのでは。
でも、きちんと現状を正しく把握できているからこそ、間違えてイサセリを恨むような事にはならなかったって事ですよね(誤解する道もないわけではないと思う。あの状況は)。
きっと素敵なお子さんを育てたんだろうなぁ。


寒山
愛の人。哀の人。めちゃ好き。
守ってあげたいし、逆にぶん殴って目を覚まさせたいし、なんなら「あの人の事どんなに想っても、あなたの想いは実らないのよ!」って泣きながら縋り付きたい笑
私も岩長姫好きだから、寒山も岩長姫も大好きなこじらせ系女子で夢女子やりたい笑
まぁ、寒山は姫とどうこうなんて思ってないと思いますけれど。こう、ひまわりが太陽を向くような、敬愛や尊敬を凝縮したような愛なんだと思いたい。
反面どろどろした情欲を持っているのも萌えるけど!
彼のやりたかった事も理解できるし、自分があの立場だったらそうしたいとも思うかもしれない。

ワカタケと最初に邂逅した時に変な間があったのは「これは贄になる」と思ってしまったからなのかな。その前から蛇の干渉はあったんだろうから、喉から手が出るほどに欲した贄だし。
あ、贄がほしいから嘘の情報を流したのか。今気が付いたわ笑
イサセリ並に「罠でおびき寄せられていた」事をすっかりこんと忘れてた笑
彼の最期はあれで幸せだったんでしょう。もしかしたら、神の剣で浄化されたものたちと、それ以外の手法で滅せられたものたちは行く先が違ったりするのかな。
違わないでほしいな。
先の世界で、また敬愛する岩長姫の魂のおそばにいられるといいんだけれど。


翠峰
かわいい!弓の名手だけれど、きっと歳若の少年ですね。
お姉さんが大好きなわけですが、そのお姉さんの苦悩に気が付けなかった事をきっと辛く思うんだろうな。
いつまでもタケルのそばにいて、タケルの事笑わせてあげて欲しかったなぁ。
この子は「まだ若いからこそ真実を見ているし真実を恐れない」って印象あります。なんでだろうな。


鬼切丸
殺陣がすごい!かっこいい!
そして、目しか見えないのにしゃべらないのにものすごい多弁。多弁に感じるその雰囲気がすごい!
そしてかっこいい!
パンフでものすごいネタバレ大公開だった笑
私は魂や意識が弟君だったとしても、実際に生活していた肉体にも意識の残滓はあると思っているので、そういう意味で『鬼切丸』を送れなかったのは少しさみしいきもちでした。


根の国の女王
貫録と声が凄い。すごい存在感。
ラスト「え、それでいいの!?」という気持ちでポカーンでした笑
恨み続けるパワーはすごいんだけれど、神の御心はわかりません…


蛇姫
最期の最期まで悪役だった唯一の人。美しい女幹部。
最初出てきたとき「雰囲気ある人だなぁ」って思ったのですが、出てくるたびに「すごくない?」「え、なんかすごくない???」「とんでもなくない?????」と目が離せない。
笑い方が本当に素敵だし、人々を言葉巧みに懐柔していくのがすごくて「私も騙されたい!!!」ってなりました。
しかし、使えていた根の国の女王が、いとしい人が出てきた途端にコロっと気持ち折れちゃったわけですが、その時蛇さまが生きてたらどんな顔をするのかな。
なんでやねーん!って気持ちになりそうなんだけれど。
蛇さまは蛇さまで、我が王の望みであるのと同時に本人の希望もあってああいう立ち振る舞いだったのかしら。

自分の目的のための錦の御旗だったのなら、それはそれで良いなぁ。


木花咲弥姫
身体は弱いっぽいけど、最強の姫。みんなを守る心の支え。すごく強い人。
彼女の会いたかった「あの子」はイサセリですよねぇ。話の流れからすると子供なのかなと思うのですが、吉備津彦命が咲弥の子っていうのは何か元ネタがあるのでしょうか。
神話的には姉妹はイザナギイザナミの孫だし、イサセリとワカタケはもっと下の代だからそこらへんはアレンジがあるということなのでしょうか。
イサセリが桃姫にとってとても大切なつながりを感じる存在だっていうだけで十分なのかな。
桃姫は、自然に還ったって事になるのかな。


岩長姫
もうねー。好き!声がとにかく素敵で、この声で「寒山」って呼びかけられるとこっちがドキドキすんねん!!!ってなる笑
お姉さんだけれど、妹がいないと生きていけない系姉なので、こう、守ってあげたいよね…本人は「守る立場」だと自分を律してるのがこうさ…守ってあげたいよね…
寒山がああいう風になってしまうのもわかるんだよね。あの強い人が折れる前に守ってあげたいってなるよね。
もーさー。好き。
仲良し姉妹だって設定知らなかったので、最初の登場の時は「まさか敵対するのでは」ってドキドキしましたが、思いの他仲良しというか依存系姉でわたくし大変おいしゅうございました。
この姉妹は仲悪く書かれがちだけど、仲良しなのがいいんだよー。萌えるんじゃー。


中の国の王
めちゃくちゃ貫録のあるロマンスグレー!かっこいい!
でも中の国の王の最低だった部分がすべての元凶なのよね笑
そもそもの黄泉比良坂の物語のイザナギがアレなのですが、この良い声の根の国の女王と中の国の王で実写化されるとなんか「仕方ないかも?」って思える説得力が。しかも狂言回しは姉妹だし。
お前のせいで!お前のせいで!!!とマウント取りたい相手ですが、最後にすべてを認め反省して(でもえらそう)コトを収めていったので、見直すような気持にはなりました。
それ50年前にもできたんじゃない?とも思うけれど。神の御心はわかりません…


お岩
最初は正直うっとおしいなーって好きじゃなかったんですよね。
お節介で察しが悪くて話の腰を折る、近所のでしゃばりおばさんみたいに感じて。
それが、一人で残るように言われてからの、家に帰って待ってる、みんな帰っておいでって件で一気に大好きに。その前半のうざいなーって部分があってこそ、お岩の言葉に嘘がない事が実感できたのかなと思ったんですよね。
桃じぃと鬼ばぁが帰ってきたのを見たときの一瞬の間が、みんながいない事をなにかさとったのかな、それでもおかえりって言えて良かったなって思って、そこでまた号泣でした。
みんなを救ったのは桃じぃのひと振りだったけれど、最後お岩が二人を受け止めて、そこでみんなの魂が本当に救われたんじゃないかと思ったのでした。


白峰
苦悩するお姉さん。
みんなを幸せにしたいって気持ちが暴走してしまった…。たぶん弟は歳が離れているんだろうと思うのですが、その年の離れた幼い弟を守りたいって気持ちが大きかったんでしょうね。
脚本の方が演じていらっしゃる(と思う)関係だと思うのですが、あえて強い印象を残し過ぎないキャラクターになっているような気がしています。
弟に討たれることになりましたが、寒山と同様によそに行くのではなく、ちゃんとみんなと会えるといいなぁ。
 

 

 

 

以上!なんか書いてるうちにわけわかんなくなってきた!

桃ジィとお岩の項目は書いてるだけで泣いてしまったよー笑